電動キックボード用のヘルメット
日本トレンドリサーチ社が実施した「電動キックボードに関するアンケート」(2021年1月、2198名対象)の中で、
電動キックボード使用時に義務付けられているものはどれでしょう?
というクイズに対し、
ヘルメットが必要と正解の回答した人は81.6%だったそうです。
つまり、10人に2人は「ヘルメットが必要とは知らなかった」というアンケート結果だったということですね。
ノーヘルで公園や歩道を走っている、電動ではないキックボード(自走式の元祖キックボード)と区別がついていない人もいるかも知れません。
スポーツ系の自転車にのっている人はおおむねヘルメットを着けている人が多い一方で、電動アシストのついたママチャリはノーヘルだったりすることから、「30km/hで走る電動キックボードは?」と迷う人がいそうですね。
0.6kW以下の電動キックボードは、現在は原動機自転車に分類されるからです。
道路交通法 第七十一条の四
2 原動機付自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで原動機付自転車を運転してはならない。
出典:道路交通法
道路交通法では電動キックボード用ヘルメットの安全性をどう言っているか?
道路交通法で「安全なヘルメットはこのマークがついたもの」などと、明確に規定している条文がありません。
警視庁が公開した二輪車の交通死亡事故の統計が下のグラフです。
頭部が致命傷となった割合が多いことから、とにかくヘルメットを着けてね、という理由については理解できましたね。
では本題ですが、乗車用ヘルメットとはどういうヘルメットのことでしょうか?
道路交通法に以下の規定があります。
法第七十一条の四第一項及び第二項の乗車用ヘルメットの基準は、次の各号に定めるとおりとする。
第1号 左右、上下の視野が十分とれること。
第2号 風圧によりひさしが垂れて視野を妨げることのない構造であること。
第3号 著しく聴力を損ねない構造であること。
第4号 衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること。
第5号 衝撃により容易に脱げないように固定できるあごひもを有すること。
第6号 重量が二キログラム以下であること。
第7号 人体を傷つけるおそれがある構造でないこと。
出典:道路交通法
道路交通法で規定されているのはここまでです。
ですので、電動キックボードで公道を走行するためのヘルメットを選ぼうとすると、道路交通法を基準にした場合、あいまいでわかりにくいです。
ただ、直感的には、下の画像のどれもダメそうだな、という感じはしますよね。
それでは、どのヘルメットを選べばよいのか、判断基準について説明します。
125cc以下限定のヘルメットがある!
国内で販売されているバイク用のヘルメットには、「125cc以下」と「排気量無制限」の2種類があるのをご存じだったでしょうか?
0.6kW以下の電動キックボードには、「125cc以下」用としてのヘルメットを選ぶことができます。
例えば下の商品です。
商品特長には下の仕様が記載されています。
ヘルメットの安全性はPSC/SGマークで判断できる
「乗車用ヘルメット」としての安全性を確認するには、PSCまたはSGマークのラベルが貼ってあるかどうかでわかります。
PSCマークは、国が定める安全基準をクリアした製品に表示されるマークです。
PSCマークがないものは、「乗車用ヘルメット」として販売することができませんので、国内で販売されているヘルメットには全部貼られているはずです。
SGマークは、製品安全協会が定めた安全に関する認定基準に適合した製品を示すマークです。
製品の欠陥による人身事故と認められた場合には、最高1億円までの賠償金が支払われます。
ただし、SGマークの有効期限がヘルメットの購入後3年と設定されているのは、あまり知られていないかも知れません。
バイクの内装が、保存の環境や使用頻度、時間の経過とともに劣化が進むことがあるようですし、ヘルメットを激しくぶつけたことがあるという場合には、本来の安全性能が確保できていないこともあるので、使用を中止した方が安心です。
乗車用ヘルメットの着用義務は道路交通法、PSC/SGマークは用途別の安全規格になるので、ごちゃまぜにならないようにしましょう。